横浜市再犯防止推進計画(素案)を考える
市民意見を提出
10月15日、横浜市は「横浜市再犯防止推進計画(素案)」を公表しました。
この素案について市民意見(パブリックコメント)を募集されていましたので、
ことぶき協働スペースも文書にて意見を出させていただきました。
(現在募集は締め切られています。)
【記者発表】 誰もが安心して自分らしく健やかに暮らすための更生支援の方向性- 横浜市再犯防止推進計画 - 素案について市民の皆様の御意見を募集します!
再犯防止推進計画って何?
「再犯防止推進計画」と聞いてもピンと来る人は少ないかもしれません。
テレビを点ければ耳に飛び込んでくる凶悪な事件の数々。
「日本も物騒になったな」と顔をしかめたくなりますが、実のところ犯罪の認知件数は平成15年をピークに減少し続けています。
今の日本は戦後もっとも治安がよいと言っていいと思います。
治安が良くなって喜ばしい一方、再犯者についてはあまり減っていない。
結果として全検挙者の約3割に当たる再犯者によって約6割の犯罪が行われているという現実があります。
「こりゃあ再犯者をどげんとせんといかん!!」
ということで国は「再犯防止推進法」を制定。(平成28年)
法整備を受けて「(国の)再犯防止推進計画」が策定されました。(平成29年)
法は、都道府県や市町村にも計画を作りなさいと努力義務を課しており、横浜市もこれに準じました。
一般にはなかなか馴染みのない話題ですが、ここ寿地区にとっては関わりの強い話です。
寿地区には、さまざまな事情を抱え、一般的な社会生活に難しさを感じる方が多くいらっしゃいます。
借金、リストラ、離婚、一家離散、病気、障害···そして犯罪に手を染めた者。
寿地区は、こうした人々の受け皿として機能している面もあります。
新たな犯罪被害者を出さない、誰もが安心して暮らせる社会を実現するためには、
彼らが真に社会復帰を果たし、再び罪を犯さないよう支援する必要があるのです。
「犯罪者と同じ社会で暮らしたくない! 」
「犯罪者に税金を使うなんてとんでもない!」
そう思われるかもしれません。
しかし、居場所も出番も無くした元・犯罪者が次にとる行動は···容易に想像できると思います。
そのとき被害に遭うのはあなたかもしれないし、あなたの大切な人かもしれない。
元・犯罪者を支援するということは、自分たちを守ることに他なりません。
計画(素案)を学ぶセミナーを開催

11月13日(水)松島雄一氏(横浜市健康福祉局福祉保健課担当係長)をお招きし、計画(素案)を学ぶセミナーを開催しました。
再犯防止の重要性、横浜市が取り組む基本方針と施策について分かりやすく講義していただきました。
セミナー後半は参加者から活発に質疑が飛び出し、中には鋭い指摘もあって、回答する松島係長にはご負担を強いてしまいましたが、市民が再犯防止に強い関心を持っていることが分かるとても有意義なセミナーになりました。
この時セミナー参加者から寄せられたご意見を取りまとめたものに、ことぶき協働スペース独自の意見を附帯して、市民意見として横浜市に提言いたしました。
9項目に14の意見を述べさせていただいております。
参加者の皆さま、松島係長のご協力あっての市民意見です。
ありがとうございました。
この度のセミナーは告知直後から大きな反響をいただきました。
寿地区に携わる方々が、再犯防止に関心を寄せてくださっていることを心強く思います。
ことぶき協働スペースでは、今後も継続して再犯防止に係る勉強会を開催していく予定です。
犯罪を根絶することは難しい。
それでも犯罪被害に苦しむ人をひとりでも減らすことができれば。
私たちにできることを共に考えていきましょう。
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