更生支援セミナー(第1回)は満員御礼

2月15日(土)「更生支援のための地域連携を考えるセミナー(第1回)」を開催しました。
非日常的なテーマなだけに、15名も集まれば御の字と考えていたのですが、結果的には多方面から30名を超える方にご参加いただきました
参加者の中には、薬物やアルコール依存症者の回復支援団体の方、更生保護施設の職員、保護司、さらには法務省の職員の姿も。
これほど多くの専門家にお集まりいただけたのは嬉しい誤算でした。

用意した座席では足りず、交流協から長机8台を借りることに…

私事で恐縮ですが、これまで犯罪者の改善更生に携わってきた者として、ことぶき協働スペースで更生支援セミナーを開催することは私の念願でした。
昨年11月に開催した「横浜市再犯防止推進計画(素案)を学ぶセミナー」の反響が予想以上に大きかったことから、横浜市の再犯防止・更生支援について継続して学ぶ場が必要であると判断したものです。

講師としてご登壇くださったお三方、そしてお忙しい中セミナーにご参加いただいた皆さまには厚く御礼申し上げます。

三者三様の立場から

講演の先陣を切ったのは、生活困窮者を一時保護する「横浜市生活自立支援施設はまかぜ」の職員であり、NPO法人横浜依存症回復擁護ネットワーク(通称:Y-ARAN)」の副代表でもある市原誠氏。
ことぶき協働スペースではお馴染みの方です。
はまかぜは寿地区という場にあって、依存症者や刑務所出所者の入所も多いそう。
彼らが繰り返し犯罪に手を染めてしまう心理や社会的背景を否定することなく受け止め、社会復帰支援につなぐご活動は、再犯防止における地域連携の最前線と言っても過言ではありません。

「志を同じくする皆さんにやっと出会えた(笑)」と細川氏

次いで、本セミナーの企画・提案者でもあるNPO法人Hatch代表細川慎一氏がご登壇されました。
細川氏は、葉山町議会議員を勤めていた4年前、覚せい剤の所持および使用で逮捕され、有罪判決を受けたまさしく「当事者」。
当事者が語る臨場感ある体験談に、参加者は聞き入っていました。
細川氏は逮捕され、有罪判決を受けてもなお、自分が薬物依存症であるという自覚がなかったといいます。
治療が必要なほど薬物に依存しているのに、本人がそのことに気付いていない。 これこそ依存症の本当の怖さです。

細川氏は、裁判長や協力者の助言を真摯に捉え、何より家族の支えで治療の必要性を理解できましたが、それは運と縁に恵まれたに過ぎないと語ります。
依存症者が薬物を断ち「更に生きる」ために必要なのは、適切な支援につなぐことだと悟った細川氏は、それを自分自身の使命と捉え、現在は刑務所出所者等の更生支援に当たっておられます。

最後に、神奈川県および横浜市の再犯防止推進計画の策定にも携わった、神奈川県地域定着支援センター山下康センター長から、刑務所出所者等を地域につなぐ役割についてお話しいただきました。

山下氏は全国の刑務所や少年院を飛び回り、受刑者・非行少年の社会復帰支援を行っておられます。
地域定着支援センターの全国設置、高齢で帰住先のない受刑者を対象とした特別調整等、以前より支援制度は充実してきましたが、まだまだ課題は山積と言います。
累犯者、高齢者でも人は必ず更生できる。再犯を繰り返している者はいまだその段階に至っていないだけで、いつか必ず更生できると信じ活動している」と熱く述べられました。

参加者の中に、横浜市再犯防止推進計画(素案)の策定に尽力し、11月のセミナーでご登壇いただいた横浜市健康福祉局福祉保健課の松島雄一係長の姿がありましたので、ひとことセミナーのご感想をいただき、講演プログラムは終了しました。

アルファ化米を囲んで

講演のあと災害時用備蓄米アルファ化米を試食しながら、参加者同士の交流を深めました。
(昨年12月にことぶき協働スペースに届けられた1万食のアルファ化米も、これにて遂に底を尽きました。)

講演会終了後も多くの方が残り、交流を図りました。

参加者の皆さまのご職業や活動を伺ったところ、再犯防止・更生支援を専門にしている方が多かった。
むしろ大半といってもいいと思います。
この場で参加者が顔を合わせ、お互いの活動を紹介し合ったことが、もう既に「地域連携」の第一歩と言ってもいいのではないでしょうか。
今後は専門家でない方々にも関心を持っていただき、社会全体で再犯防止・更生支援に取り組むことを目指したいと思っています。

更生支援セミナーは今後も継続いたします。
最終目標は、再犯防止・更生支援分野における横浜市の産官学民医の連携を強化すること。
第2回は4月
横浜市再犯防止推進計画が3月に策定されるのを待って、開催する予定です。