オンラインイベントに思うこと②~情報保障の壁を超える社会的実験をとおして~

オンライン企画第2弾として、5月1日(金)に国際協力団体の野毛坂グローカルとの共催イベント「新型コロナで取り残される? ~SDGsの精神『誰一人取り残さない』を目指して~」を開催した。
「新型コロナウイルス」に起因した生き辛さに、環境を異にする多様な立場から現場の生の声を交換する試みである。
具体的に取り残される事例があるのか。
国連で働く方、視覚と聴覚に障害がある盲ろう者、地域・外国人・若者などのキーワードを軸に活動する当事者がSDGsの精神を取り混ぜながら話題を提供した本イベントは、なんと219名ものオンライン参加者を得て活発なディスカッションが行われ。

予定していた2時間のプログラムに約2倍の時間を要したことは、このイベントの開催の意義があると感じた。

何より重視されたのは、オンライン手法における情報保障の徹底である。
話題提供者の一人は福田暁子さん(全国盲ろう者団体連絡協議会評議員であり、アジア盲ろう者団体ネットワーク会議のコーディネーターを務める)。
また参加者にも、盲ろう(視覚と聴覚の両方に障がいがある)の方や、全盲の方がおられた。

ここでの情報保障は、聴覚に対してはメッセンジャーで発声をタイピングし、かつ、視覚に対しては発声者や会場の雰囲気もタイピングする、という発声速度への十分な配慮が必要になる。
聴覚に対する要約筆記より難易度が各段に高く、さらに、日本語を理解しない人のための通訳や、もともとITが苦手な人へのオンライン参加の障壁をカバーすることが求められた。

そして、これらの障壁を取り除いたのがすべてボランティアであったことに特筆すべき社会的意義がある。
野毛坂グローカルという国際協力団体がこれまで培ってきた国を超えた、また世代を超えた人材交流の賜物でもある。
要約筆記にあたった7人は、大学で福祉や国際協力を学び、難民支援等の活動に積極的な若者たちであった。
いかに情報を保障していくか、福田さんの参画協力による事前準備も周到に行われたという。

オンライン参加者からの質疑では、「誰一人取り残さない」の解釈や語感をめぐって忌憚のない意見が交わされ、タイから話題提供してくださったSDGsの専門家、国連ESCAP秋山愛子さんをはじめ、各話題提供者も丁寧に対応を重ねた結果、約2時間の延長となった。
勿論、オンライン上が故の退出時間の自由度もあった。

それでも最後まで時間はかかっても、テーマに即した「誰一人取り残さない」を粘り強く試みた野毛坂グローカルの皆さんの熱い思いは、情報保障の壁を超える社会的試みとして成功した。
その勇気と健闘に心から感謝している。

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