朝のひと時

たまたまのことなのですが、僕は毎朝だいたい同じ場所である若者とすれ違います。初めてその若者を見かけた時、道ですれ違う方々に次々と、「おはようございます」と挨拶を繰り返していたのを覚えています。

道行く方々も、困惑したり奇異の目で見ていたと思います。彼はただ真っ直ぐに挨拶しているだけなのに、みな避けるように歩いていて何だか残念に思いました。そういう自分もその時はビックリして言葉を出せず、少し時間が経ってから冷静に考えることができました。

僕自身、ADHDや自閉症スペクトラムの要素があり、特性との付き合い方に苦しんできたし、精神疾患や何らかの障害などを持った友人も少なくないので、その若者もおそらく何らかの生きづらさを抱えているんではないかと直ぐ想像できたのですが、それでもとっさには反応できませんでした。時間が一緒なのか顔を合わす機会が増えてきて、徐々に挨拶を交わすようになりました。何よりその若者はいつも真っ直ぐ気持ちの良い挨拶をしてくれるので、清々しい気持ちになれます。むしろ同じ街に暮らしているのに、お互いに知らないからと無関心ですれ違うことの方が、よっぽどおかしいのではないかとすら思うようになりました。

そんな感覚を改めて彼に教えてもらった気がします。今ではお互い見つけ合って、より心の通った挨拶を交わしてお互い1日のスタートを切っています。都会に暮らしていても、そういうゆるやかな人とのつながりがあることこそ、豊さの一つなのではないかと感じています。