【EVENT REPORT】更生支援セミナー(第3回)を開催しました

更生支援セミナー(第3回)を開催しました
更生支援セミナー(第3回)を開催しました

9月26日(土)「更生支援のための地域連携を考えるセミナー~『横浜市再犯防止推進計画』を学ぶ・活かす継続学習会~(第3回)」を開催しました。
今回はYouTubeライブと同時にfacebookライブでも配信し、全国から合わせて100名以上の方にご視聴いただくことができました。録画も合わせると更に多くの方にご覧いただき、オンラインの発信力を感じております。

明治時代から続く更生支援活動「更生保護」を学ぶ

これまで国や司法関係機関を中心に行われてきた再犯防止。今年3月に「横浜市再犯防止推進計画」が策定されたとはいえ、地方や民間団体が関わっていけるのでしょうか。その足がかりの一つが「更生保護」ではないかと考えました。

そこで会社員として働きながら、保護司そしてBBS会員として犯罪者や非行少年の立ち直りを支えてこられた狩野修さんにお声がけしました。狩野さんは快く登壇を引き受けてくださり、このたび「市民も担える更生保護と少年の立ち直り支援について」をテーマに以下、
① 更生保護制度
② 保護司の役割
③ BBS会の活動
④ これからの更生保護
について、ご講演いただくことができました。

更生保護制度と保護司

セミナー冒頭、わが国における更生保護の源流にまつわるエピソードが紹介されました。更生を遂げたにも関わらず社会に拒絶され、自ら命を断たざるを得なかった出獄人(今でいう刑務所出所者)吾作。この悲劇を繰り返すまいと、出獄人の社会復帰を支援する日本最初の更生保護会社設立の話は、とても印象に残りました。

(法務省「更生保護の歴史(注)吾作は身を投げた」)
http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo_hogo02.html

すなわち更生保護とは、犯罪をした者等がその罪を償って社会に戻ることを支援する制度です。

更生保護は国の(保護観察所を中心とする)施策でありながら、わが国ではその役割の多くを民間ボランティアである保護司が担っている~全国で保護観察官約1,000人に対し約5万人の保護司が活動している~という話も大きなインパクトがありました。
罪を犯した者の更生というと、国が権力作用として行っているイメージがあったからです。「更生保護の多くを民間が担うことについて、非権力的な民間ボランティアだからこそ、個々の対象者に寄り添った柔軟な活動ができた点は、日本の更生保護制度の良さ」と狩野さんは述べられました。

保護司の役割は保護観察中の対象者への指導や助言にとどまりません。刑務所や少年院に収容されている者に会いに行き、さらに彼らの身元引受人の元を訪ねて生活環境の調整まで行うそうです。

このようにプロフェッショナルとして、一人の人生に真摯に向き合うことを求められる保護司の活動。なおかつ緊急の要請があれば365日24時間対応しなければならない負担を考えると、ボランティアの域を超えていると感じます。そんな素朴な疑問から「保護司活動に相応の対価(お給料)が支払われてもいいのではないか」と質問させていただきました。これに狩野さんは「私を含め多くの保護司が無償であるべきと考えている」と明言されました。「保護司はお金のためではなく、心から対象者の立ち直りを願っているという気持ちが、対象者には伝わるのだ」と仰られました。

オンラインセミナーの様子
オンラインセミナーの様子

若者による非行少年の立ち直り支援

続いてBBS会について講義いただきました。

BBSとはBig Brothers & Sisters Movementの略で、非行少年の良き兄・姉となり、彼らの立ち直りを支えるボランティア活動です。
助言指導する立場である保護司とは違い、少年と同じ目線に立って、遊びに行ったり、メールやLINEで悩みを聞いたり、ときには勉強を教えることもあります。友人関係を通じて、間接的に少年の健全育成を促します。
こうしたBBSの活動も、民間ボランティアだからこそ可能なのではと感じます。権力的だったり、報酬を貰っている友だちなんて嫌ですよね。

この日は西区と港南区のBBS会員5名がセミナーの手伝いに来てくださっていたので、会員の皆さまからも担当した友だち活動や学習支援の事例を紹介してもらいました。

保護司とBBSの活動から学ぶ

セミナー後半は質疑応答の時間を設け、狩野さんに参加者から寄せられた質問コメントに答えていただきました。

終盤、今回のセミナーを後援してくださった「かながわ『非行』と向き合う親たちの会」(通称「道草の会」)の上田祐子さんに、リモートでご感想をいただきました。非行のある少年を持つ親としての苦悩と願いが伝わるコメントに心を動かされました。
上田さんも触れられた少年法改正の是非、そして非行少年の立ち直り支援については、いずれ取り上げなければならないテーマだと思っています。

再犯防止推進計画の策定で、にわかに再犯防止・更生支援への市民参画が注目された印象がありましたが、実はわが国では100年以上前から民の力が大きな役割を果たしてきたことを知ることができました再犯防止推進計画は決して特別なことではなく、これまで私たち市民が行ってきたことを再確認したものと言えるのではないでしょうか。

セミナー後の集合写真
セミナー後の集合写真。みなさん、いいお顔をされています。

(お詫び)
途中、音声トラブルを頻発し、ご視聴いただいた皆さまにはお聞き苦しい場面も多かったかと思います。この場を借りてお詫び申し上げます。