【EVENT REPORT】更生支援セミナー(第4回)を開催しました

1月30日(土)に「更生支援のための地域連携を考えるセミナー(第4回)」をYouTubeライブで配信しました。

セミナー(第3回)では保護司・BBS会という更生保護ボランティアの活動を学びました。
今回は更生保護制度のもう一本の柱「更生保護施設」の機能と取組について、横浜市磯子区にある更生保護施設「横浜力行舎」から柴崎真澄さん(施設長)、郡司実さん(福祉職員兼補導員)、高杉知明さん(補導員)をお招きして、横浜力行舎が推進する地域連携のお話を伺いました。

録画映像のご視聴をご希望の方は専用お申し込みフォームからご連絡ください。

地域連携なくして再犯防止は実現できない

はじめに、横浜力行舎施設長の柴崎さんから「更生保護施設に求められる地域移行の取り組み」のテーマで講義していただきました。

更生保護施設「横浜力行舎」は同敷地内に更生施設「甲突寮」を併設し、更生保護から福祉へ切れ目のない支援を可能にしている全国的にも珍しい施設です

柴崎さんから、今年度横浜力行舎に入寮した30名のうち高齢や障害を理由に支援を必要とする方は10名。
特段の疾患等がない方が7名。
そして支援の必要なしとして引き受けたものの、実際に接してみると何らかの疾患や障害が疑われる方々が13名いらっしゃったとご説明がありました。

柴崎真澄さん(更生保護施設横浜力行舎施設長・保護司)

つまり疾病(依存症など)や軽度の障害がありながら、本人も周囲もそれに気付かず、犯罪を繰り返してしまうケースが少なくない。
横浜力行舎はこうした「疑い」のある方々に着目。
本人に自分の問題性を自覚させるとともに、関係機関とトータルで対応することで、犯罪に戻さない支援を行っています。

「更生保護施設だけで再犯を防ぐことは不可能。地域・関係機関と一緒に取り組んでいかなければ
しかし連携の壁になっているのが、犯罪者等に対する差別と偏見であると柴崎さんは感じておられるようでした。
「まず更生保護の取組を知っていただく。知っていただければ福祉関係者が日々やっていることと何ら変わらないと分かるはず」と、更生保護に対する市民の理解が重要であることを語られました。

神奈川の地域連携モデルを全国に

続いて、横浜力行舎で福祉職員と補導員を兼任する郡司さんから「更生保護施設における福祉支援の実践」を講義いただきました。

導入として

  • 横浜力行舎と甲突寮の成り立ち
  • 更生保護施設の機能と入所フロー
  • 更生保護施設と更生施設の違い

といった基礎的なお話をいただいたのち、本題である神奈川県における地域連携の取組が紹介されました。

郡司実さん(横浜力行舎福祉職員・補導員・保護司)

まず横浜力行舎最大の特徴である、甲突寮への「移管」について。
さらに医療機関、アルク・AA・GAなどの依存症回復グループ、神奈川県下にある4つの更生保護施設、3つの更生施設など、
神奈川県の恵まれた地域資源を生かしたネットワーク「神奈川モデル(仮)」が既に進行中であることをご説明いただきました。
郡司さん曰く「各施設には必ず長所と短所がある。連携して短所を補いあい長所を生かす。大切なのは対象者にとってベストな支援、選択肢を与えること」
今後さらなる地域ネットワークの拡充が期待されます。

障害者福祉職員から見た再犯防止

第3部は「更生保護と障害福祉サービスの連携」をテーマに、10年以上にわたって障害者福祉に携わってこられた高杉さんならではの視点を語っていただきました。

立ち直りに必要な4本の柱とその柱を支える支援策について、横浜力行舎を利用するKさんの事例を挙げて具体的に示してくださいました。
また刑務所を出た方、執行猶予を受けた方と最初に接点を持つ更生保護施設こそ、福祉連携の窓口機能を担い、既存の地域資源とのハブになることが求められていると、これからの更生保護施設が担うべき役割についてお話いただきました。

高杉知明さん(横浜力行舎補導員・保護司)

高杉さんは近く、障害者グループホームを立ち上げることになっているそうです。
横浜力行舎から甲突寮への移管、さらにグループホームに繋げることで、息の長いフォローを可能にするといいます。

セミナー(第4回)を終えて

今回のセミナーは、これまでで最大となる120名超の方にご視聴いただきました。
多くの方が再犯防止・更生支援に関心を寄せてくださっていることを心強く思うとともに、更生支援の未来は明るいと感じます。

本日の講義を終えて、再犯防止推進計画が策定される以前から民間を中心に更生保護と福祉の連携はスタートしていたことが分かりました。
同計画の策定で、これまでの地道な取組に光が当たりはじめたことは大きな一歩です。
犯罪をした者等へ理解を深めることで差別と偏見をなくし、更生保護・福祉、行政と民間といった垣根を越えた地域連携を促進することが、私たち市民に求められています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください